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2023.04.26 |ブログ

爆発物への護身術とは?

目次

はじめに

日本でも、爆発物を使用した事件がニュースでも大きく取沙汰されました。
我々訓練を受けたインストラクターからすると身の回りにある不審な物や不自然に置かれた物は爆発物の可能性も頭の片隅で考慮することはありますが、この日本においてIED(即席簡易爆弾)等の脅威を一般人が想像していることのほうが珍しいのではないでしょうか?

今回は爆発物に対する私たち一般人ができる対策、対処を護身術の観点から考察してみました。

ニュースや色んな情報が飛び交う中で一つの参考になれれば幸いです。

なぜ爆発するのか?

これは爆薬の種類などにもよりますが
テロなどで多く使われる構造としては、電気回路が用いられます。
ここでは構造に関する複雑な説明は省きますが、電気回路が繋がることで熱源が起爆剤に触れ、そのきっかけにより爆発が起きます。

このような構造を用い、手製で作った簡易的な爆弾などのことをIED(Improvised Explosive Device)などと呼びます。


他には、雷管・着火・酸化・摩擦や衝撃による反応もあります。

爆発物の種類

爆発物の爆薬の種類や名称を説明しているとそれだけでこの記事は埋まってしまうので、大まかな種類だけ把握していれば我々の生活では十分です。

大まかには以下のタイプです。

①スイッチ式
②タイマー式
③遠隔式

①スイッチ式

文字通り電気回路が繋がると起爆するものです。

スイッチが入った瞬間爆発するので、爆弾の近くにいるものはその爆発に巻き込まれます。

犯人が自分で押す可能性もありますし、例えば封筒を空けた瞬間や箱を空けた瞬間に回路が繋がる仕組みにすることも出来るでしょう。

②タイマー式

例えば時計やタイマーを用いて爆弾を作るケースもあります。

その時間設定はあらかた任意で設定ができ、いつ爆発するかは設定した本人でないと分からない可能性があります。

時間が来れば音が鳴るのと同じように、時間が来れば電気回路がつながるように設定することは、少しの知識があればIEDに変えられてしまうのです。

③遠隔式

代表的な例は携帯電話などです。

例えば爆発物の方にも電話を仕掛け、呼び出しが鳴った瞬間に爆発するようにしておくことで
もう片方の人間が爆弾の電話にかけることにより起爆します。

これらは実際に使われている手法です。

爆発物の危険性

爆発物とは軍隊や特殊部隊が扱う爆薬ももちろんですが、ホームセンターや薬局で手に入るもので素人が作れてしまうものまで多岐にわたります。

その威力や程度は爆薬の量や内容物などにより異なりますが、大きな特徴は素人が比較的簡単に、かつ威力の高いものを制作できてしまうとこにあります。

ナイフなどの刃物はもちろん脅威ではありますが使用する人間が相手を攻撃するにはその都度攻撃動作をしなければなりません。

銃器の場合は専門的な知識(銃の構造や弾の構造)を知らないと難しくまた作る設備が必要になることもあり仮に作成できたとして粗悪なものであれば自分が怪我をするリスクが伴います。

一方、爆発物は銃器に比べると構造自体はシンプルで作成しやすく、自分が近くにいなくても起爆することもできるという側面があるためテロや犯罪に使われやすいのが挙げられます。

もちろん、自作での誤爆等、事故のリスクは常に伴いますが
特殊な設備や資材が無くとも用意に代用できてしまうのが怖いところです。

爆発物を見つけた時の3原則

もし爆発物の可能性が考えられるものを発見した時の基本の対処は以下の通りです。

①触らない
②距離を取る
③遮蔽する

自分や家族、大切な人がもし“それらしき物”を発見した時は以下の原則を守るように伝えます。

①触らない

例えばカバンや箱が落ちていたり置いてあったとしても
中身を確認したり見ようと開けたりしないことです。

衝撃を与えたり仕掛けなどを作動させる可能性や、遠くから見ている犯人がその瞬間に起爆させることも考えられるからです。

遠ざけたいからといって蹴とばしたり持って運ぶことは危険が大きいので絶対にやってはいけません。

②距離を取る

爆発の威力は外から見てわかるものではありません。
周辺が吹き飛ぶものから人一人にダメージを与えるものまで、大きさ、爆薬の量によっても大きく変わります。

適切な距離、というのは一概に断定できませんが
「可能な限り早く遠くに離れる」
これに尽きます。

③遮蔽する

爆発の威力を抑えるという意味で爆発物そのものを遮蔽するということもありますが

それは警察や自衛隊などの専門家が行うことなので

一般の人間たちへは、自らを遮蔽するという意味が強いと考えます。

同じ距離離れても建物の中と外にいるのでは大きく差が出るでしょう。

例えば爆風や破片、これらをまともに食らえば損傷は大きいですが、壁一枚あるだけで被害は変わります。

なので、壁を挟む、建物に入る、障害物に身を隠す…これらを行うことが発見時に自分たちにできるその場での対策です。

自分たちにできる対策は?

では次に、巻き込まれる前の段階で自分たちができる対策は?

巻き込まれた後爆発から助かる方法…
これは正直ありません。

爆発に巻き込まれた後は、損傷部位によって生存率は変わり、その後の応急処置によっても変わり、更にその後の医療を迅速に受けられるか

これ次第です。

残酷な話、跡形もなく吹き飛んでしまう可能性もありますし、損傷が激しい可能性もあります。

事後対処ではどうにもなりません。

ではせめて自分たちが巻き込まれる前から日頃意識できることとは何でしょうか?

①まずは周りを見ることから

危険を回避することの第一歩は、しっかりと周りを見ることからです。

簡単に言いますが、これが結構難しい。

例えば通勤通学の行き帰りを想像して下さい。あなたはその通い慣れた道で何回くらい後ろを見ますか?

恐らく、片手の回数にも満たないのではないでしょうか?

あるいは通り過ぎる人の手や持ち物などを日頃から見ることはあるでしょうか?

こういったところから始まっているのです。

②異変をキャッチしたら行動する

人には正常化バイアスというものが働きます。
また、集団でいると集団心理も働きます。
例えば

きっと自分は大丈夫だろう。
みんな動かないから自分も動かなくて大丈夫だろう。
あるいは、誰かがやってくれるだろう。

このような心理状態です。
これは誰しもが陥る可能性があり、日頃の意識や訓練によって克服できることもありますが、普通に生きていると中々克服し難い問題と言えます。

③走る・隠れる・伏せる

それでももし、爆発物や危険物が自分の目の前まで差し迫ってしまったら?

それはケースバイケースになってしまいますが、可能であれば走って距離を取りたい。

そして遮蔽物に身を隠す。

もしそれが困難な場合でかつ近距離の場合は、

その場に伏せるのが有効な策であることもあります。
爆発した際の破片は放射状に飛散するからです。

ただ、これを現実的にやれるかどうかはやはり日頃のトレーニングと危機意識の高さがモノを言ってしまうでしょう。

とは言え本当に目の前に来てしまったらやるしかありません。

まとめ

いかがでしょうか?
当たり前のようで、日頃意識していないとできないことや

頭で分かっていても行動することの難しさがお分かり頂けると思います。

でもやらなければ対処は遅れ、最悪の場合は取り返しのつかないことになります。

こういった爆発物を使用した事件はあってはならないことですが

日本でも実際に起きていることから、他人事とは言えなくなっているのが現状です。

ターゲットが自分でなかったとしても
身を守るための行動が自分自身の命を守ることに繋がります。

それらを踏まえ、頭の片隅に置きながら自身の日常をお過ごし頂けたらと思います。





自知護身では爆発物、銃器の訓練経験や知識を持ったインストラクターが指導しています!

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