目次
- ○ はじめに
- ○ 護身術とは
- ・護身術は戦いを避ける
- ・護身術にルールはない
- ・護身アイテムや身の回りの物を使う
- ○ 格闘技とは
- ・事前に入念な準備を行う
- ・細かいルール設定がある
- ・その競技の技術に特化している
- ○ 格闘技は護身術に応用できる?
- ・格闘技のトレーニングは護身術にも使える
- ・護身術だけでしか練習できないもの
- ○ まとめ
はじめに
護身術というと、皆さんはどのようなものを想像しますか?
多くの方は
危険が迫った時の華麗な技や
少ない力で相手を制圧したり
または合気道や空手のようなものを想像すると思います。
初心者のみならず格闘技や武道を教えている人も護身術との明確な違いを本当に理解している人は少ないのではないかと思います。
また、ただ単に格闘技や武道を護身術として使える、として教えてしまっているところも見受けられます。
今回はそんな護身術と格闘技との違いをまとめました。
これから何をやろうか迷っている方
護身術とは何かを知りたい方
格闘技から護身術に応用できるか知りたい方にオススメの記事となっております。
護身術とは
護身術で最も重要なのは
“逃げる”
言い換えると
“生き延びる”
ことなのではないでしょうか?
またその為には危険に近づかない
しっかりと周りを把握すること
それらを予測することが最も大事です。
撃退するためのテクニック=技術というのは
護身術の一部分であると言えます。
本来であれば危険や目の前の脅威を避け
逃げる、生き延びることが目的となります。
そしてもし巻き込まれてしまった際は
相手を撃退もしくは制圧し自身が生き延びる為に行う方法が護身術です。
護身術は戦いを避ける
護身術の基本は戦闘を避けることにあります。
文字通り身を守ることが目的なので
戦いの土俵に身を置くことをまず選びません。
戦いの土俵にあがった瞬間に、生きるか死ぬかという極限の選択を迫られてしまう可能性があるからです。
また、護身術が必要になる場面は
大概がとっさの状況であり、相手も何人いて何を準備しているか分からない状態です。
なので護身術は自分の不利にならない為に逃げることを選択するのです。
護身術にルールはない
ではいざ巻き込まれてしまった時
護身術にはルールがありません。
相手も武器を使ってくるかもしれませんし、逆にこちらにも制限はありません。
格闘技では禁止されている急所(一般的には目・金的・頸椎など)にも攻撃を加えることは護身術では有効となりますし
それに合わせたトレーニングをしていきます。
また相手が複数人いることも考えられますし、誰かを助ける為に行うこともあるかもしれません。
護身アイテムや身の回りの物を使う
護身術の場面では自分や他者の生命の危険があることが想定されます。
なので万が一を想定した時の為に、必要であれば持っている護身アイテムや防犯グッズ、時として身につけているカバンや落ちている物を利用することがあります。
これらは訓練をしていないととっさに使うことはできませんし、生き延びるための機転だったり発想がなくてはできないものとなります。
格闘技とは
格闘技の大きな特徴は
同階級でルールを設けて戦うところにあります。
もちろんその性質上選手達は命を懸けて戦うこともありますしその為に過酷なトレーニングや減量を行います。
格闘技の特徴は、決められた競技で一定のルールの中で全力でぶつかり合い、それを観客に見てもらうことが大きな目的となります。
また、闘う為の技術と置き換えても良いかもしれません。
事前に入念な準備を行う
対戦相手の情報を調べることはもちろん
その為のテクニックであったり
体重(ウエイト)の調整
体調(コンディション)の調整
を行います。
これらは護身術には無い項目と言えるでしょう。
細かいルール設定がある
また、格闘技は選手の生命の危険を極力脅かさないようにするため
ルールを設けています。
もちろん危険な技やリスクは少なからずあり、絶対的に安全というわけではありません。
しかしながら同じルール下の元で行われ、勝敗を決めるのが格闘技ですのでルールを設けるのは当然です。
一対一であるのは当然ですしどの部位を使って良いかなどお互いの了承の上で成り立っています。
また、試合などは体重により分けられることがほとんどです。
その競技の技術に特化している
護身術は逃げることに特化しているように
格闘技はその競技の技術に非常に特化しています。
例えばボクシングだったら立った状態での拳を使った技術は世界一であると言えますし
レスリングは相手をテイクダウンすることに長け、柔道は投げ……と言ったようにそれぞれに特化したものがあります。
一定のルール下で戦うものはその中で非常に奥深くレベルの高いものになっていきます。
格闘技は護身術に応用できる?
さて、護身術と格闘技と大まかな違いを説明してきました。
では護身術と格闘技はそれぞれ応用できるのでしょうか?
結論から言うと
“格闘技から護身術へ応用するケースは多くある”
ということが言えます。
切迫した状況で使う、テクニックでの護身術は格闘技(あるいは武道)から応用したものがほとんどですし逃げるための技術として格闘技のテクニックは多分に護身術に活かすことができます。
また、時代とともに変化していく格闘技は磨きが掛けられていることも事実です。
しかしこれは最も重要ですが
格闘技から護身術へ応用しようとするとそのテクニックに依存してしまいがちになり
逃げることや危険を避けること、あるいはその考えそのものをおろそかにしてしまいがちです。
テクニックはテクニック
危険を予期する、避けるということは別物として普段から意識していなければなりません。
格闘技のトレーニングは護身術にも使える
格闘技で行われているトレーニング方法は
護身術でそのまま応用ができます。
いざというときに頼りなるのは
自分の体力であり、筋力でもあります。
アスリートほど追い込め…とは言いませんがフィジカルを鍛えることはそれだけで逃げれて
生き延びる確率を上げることができるので
護身術では役立ちます。
護身術だけでしか練習できないもの
当然、ナイフなどの刃物に対するテクニックや銃器に対するディフェンス
護身アイテムや日用品の応用、対複数などルールで決められていない護身に必要なトレーニングは格闘技では培うことはできませんし、護身の考えそのものは護身術に特化した教室でないと教わることはできません。
これらは決定的な違いとなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
様々な技術を知っている人は特に
“〇〇な場合では〇〇する”
のようにあたかも巻き込まれることが前提となってしまいがちで
格闘技の技をそれに当てはめてしまいがちですが
護身術では
事前に準備する時間はない可能性が高く
ルールもなく
戦いの土俵に上がればたちまち生き死にが掛かってくる世界です。
逃げること、生き延びることを念頭にしなければなりません。
しかしながら格闘技の世界もまたシビアな世界であり、その技術やトレーニング方法などを護身術に応用することは極めて有効であると言えます。
護身術の観点をしっかりと持ち
自身に合った格闘技術を取り入れることで
万が一巻き込まれた時の自身の武器となり得ることができるでしょう。
そして、対武器や対複数、護身アイテムや日用品を使ったトレーニングなど護身術に特化した考えを学びたい方は護身術教室に足を運ぶのが一番です。
餅は餅屋、ではないですが
格闘技をやりたい方はそれを学び
護身術をやりたい方は護身術教室に行くのが一番です。
皆様にご自身に合ったものを見つけて頂けたら幸いです。
最後までご覧頂きありがとうございました。