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2024.08.08 |ブログ

武道や武術は強いんですか?という質問について

インストラクター自身、いわゆる武道と言われるものを身を以て経験し

格闘技もプロ選手などに混じってトレーニングしたこともあります。

古流武術を学ぶ方との交流もありますし、クラブマガやシラットなども体験し、我ながら一通り経験があるのでは?と考えていますが

 

そんな中でも全く知識のない方は元より

経験者の方でさえもこのような質問を目にすることがありました。

 

「〇〇って強いんですか?」

「〇〇って実際に使えるんですか?」

 

もちろん全く知識のない方は、あらゆる選択肢を比べてしまうのは仕方がありません。

世の中に五万とはびこるあらゆる技術の中で、どれが強いのか、どれが使えるかを比べるのはある種のロマンすら感じるのではないでしょうか。

 

もしくは本当に強くなりたいから聞かれる方もいることでしょう。

自分はどれをやったら良いのだろう?

この格闘技は本当に強いのだろうか?など。

 

中には何らかの武道や格闘技をやった方が聞くこともあります。

答えから言うと

 

この質問がそもそもで「的外れ」となってしまいます。

強い、とは

例えば試合形式でお互いに条件を同じにしてよーい、スタート!で始めれば勝敗は付くでしょう。

 

もちろんそういう世界を知っているし、ある意味総合格闘技などはルールなどは最低限あるもののより喧嘩に近いものではあるので、なるべく実戦形式に近くして腕比べをすることは可能でしょう。

 

ただ、極端な例ですが

空手のチャンピオンと相撲の横綱が喧嘩をしたら、勝った方の武道が強いのでしょうか?

 

例えば古流武術を修めるものがキックボクシングをしてる者と戦いその試合で負けたとしても、帰った後にキックボクシングの人が原因不明の体調不良や死に至ったとしたらどちらが強いのでしょうか?(例えば毒物や劇物を扱う武術もあります。あるいは急所・臓器・脳などは遅れてダメージが体に現れることもあります。)

 

強さの定義はなんなのか、

これを分かっていないでやみくもに流派や技術形態を比べるのは少し違う、と考えています。

 

そしてテクニックそのものに優劣はありません。

技が強いのではなく、その技をどのように今置かれている環境に活かすか?適応させるか。

 

伝統は大事ですが、古く武を極めてきた先人たちはその時代に適応し昇華させてきたのだと思います。

ここで題名にある質問の「武道や武術は強いのか?」という質問に立ち返りますが

 

誤解を恐れずにいうと、強いです。

ただし、これは先述の通り現代に活かすことを考えている個人が強いという意味です。

 

たとえば

・伝統武術の型をそのままそっくり教えているだけ(かつて私も護身術として謳っている合気道に入門し私に技がかからずに落胆したことがありますが…)

・相手(敵)を知らずに自分がやってきたことが間違いない、強い、通用すると過信している(他流派や現代格闘技と交流しない人ほど陥りやすい)

・筋トレ(基礎的なフィジカルトレーニング)をしておらず技術だけでなんとかなると思っているエセ武術

 

これらははっきり言って心技体が足りていません。

これらに分類されない、いわゆる他流派との交流や基礎鍛錬を行っている武術、または徹底的に基礎トレーニングや筋力トレーニングを行っている武道はフィジカルがそもそもあります。

また武道はそもそも強さだけではない、人生の道を説く意味も含まれていることから精神的に信念があることによって安易にあきらめたりしないマインド面でも強いと感じます。

武術によっては勝つためならなんでもする、考えを行うことが武であり戦いでもあり戦闘であるので、それを当然に考えとして持っている流派は当然ながら強い、といえると思います。

 

という風にまじめに説明すると、質問者もぽかんとしてしまいます。

強い、という定義があいまいだからです。

 

もしルールを決めて行うとしたら、それは単なる比較ではなくなります。

結論としては、前から教室などでは何度も言っていますし類似の質問をされる方には決まってお答えしていますが

 

「個人が強い」

 

これに尽きます。とある競技や武道や武術が強いのではなく、それを必要な場面に必要に応じて適応させた個人が強い。

 

だから鍛えるべきは技もしかり体もしかり、そして頭もしかりなのです。

そして本当に追い込んで相手と対峙したものが知っていることは、運の要素も少なからずある。

 

何が強いか弱いかの優劣を決めることに意味はないです。

それよりも相手を知り己を知り、自分の学ぶものに懸命に取り組み、習得し進化させる

 

それを行えるものが本当に強い、ということだとつくづく思います。

 

以上、インストラクターのつぶやきでした。

 

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