
目次
- ○ 家での護身術とは?
- ○ 建物の外から護身は始まっている
- ・密室にならないことに注力する
- ・ドアの内側で対峙する危険性
- ○ 巻き込まれてしまう前に
- ・①戸締まり
- ・②外出時の体調管理
- ・③周辺警戒
- ・④事前に回避・準備する
- ○ それでも巻き込まれてしまったら…
- ・そのための準備を
- ・実は正当防衛が成立しやすい?!
- ・相談や困ったときは自知護身
家での護身術とは?
家は本来くつろげる空間、であるべきですが
犯罪の発生場所になってしまうケースがあります。
警視庁(H28年度)の調べでは、強姦事件の住宅発生の割合は全体の48.6%と半分近くにのぼり
また令和3年の住宅対象の侵入窃盗は平成16年から減少傾向ではあるものの、一日あたりで換算すると平均47件発生している状況です。
また侵入窃盗の発生場所が認知されている建物は一戸建てが最も多いのが特徴です。
侵入強盗に関しても認知件数は減っていますが、今なお起こりうる犯罪であることは間違いありません。
今回の記事では、自宅での身の守り方について自知護身の見解を解説していきます。
そういったことに巻き込まれる可能性がある方や、大切な方がいる人にも参考になるようにお伝えしていきます。
ただし、今回DV(家庭内暴力)については発生背景や被害者の心理状態が異なるため、説明しておりません。
実際どこまで警戒するかはその人の脅威のレベルや状況で変わるため、一概にこれが全てではありませんが、今回は“つきまとい被害があり、脅威者も行動に起こしてくるタイプの男性で、危険な目に遭いそうな可能性がある女性”というテイでお話していきます。
もちろん男性にも同じことはいえますので
あくまで外部の脅威や犯罪発生時の護身術として参考にして頂けると幸いです。
建物の外から護身は始まっている
よく、
・戸締まりをする
・部屋の中で遭遇したらダッシュで逃げる
・エレベータで二人きりの状況になったら非常ボタンに近いところにいる
などなど目にしますが、大前提をお話ししていない、もしくは説明が足りてない場合がほとんどであると感じます。
部屋の中で遭遇したら…
エレベータで二人きりになったら…
ここまでの状況になってしまうと、我々の見知から言うと…
「運」です。
部屋の中で侵入強盗と出くわしたら、逃げれるかどうかは状況次第です。
例えば自分が逃げた方向の窓やドアに鍵がかけられていたとしたらそれを解錠するのに時間がかかるため、得策ではない場合もあります。
(その場合、相手の要求に答えられるかどうかのNegotiation“交渉”を行うか、生命を脅かす場合、Confront“闘う”という選択肢も出てくるが、相手が待ち伏せしてる状況の為、かなりこちらの形勢は不利と考えるべき)
戦って逃げれるかどうかは相手の力量や意思にもかかってきますので、助かるかどうかはその時による、というのが正直なところなのです。
エレベータの中で二人きりになったら、
非常ボタンの近くを陣取るのは、せめて助けを呼ぶ確率を上げる、という意味ではやらないよりかはやった方が良いかもしれませんが、
例えば脅威の男性が全力で押さえこもうとする力に抵抗しながら、(エレベータの機種によっては)非常ボタンを押し続けその先の管理室の人間に助けを求めるのは至難の技ではないでしょうか。
あるいは武器を所持していた場合、そちらの対処が最優先になることもあるでしょう。
だったらケータイをいじるふりをして110番を押しておきいつでもかけれるようにしておく方が状況によっては現実的になったりします。
あるいはボタンを押す位置には陣取りつつも背中は向けない配慮をする、目的階に着いても相手を先に通して背中を見せないようにする、など配慮すべきところは多いです。
ですので密室、狭い空間、部屋や家の中での護身術の大前提とは以下の通りになります。
密室にならないことに注力する
部屋で遭遇したら…
密室で二人きりになったら…
最悪の場合その状況もあり得るでしょう。
もちろんそれはなんとかしなければならない状況です。
そのために我々は最終手段である護身術を教えているわけですが
でも大事なことはそれより前の自身の行動力、注意力にあります。
そのために何をするか?
それは「観察」し「回避」することです。
家に入る前に家をちょっとでも見たり外観や周りを見て異変がないか確認したのか?
エレベータや密室になる直前に周りを見たのか。
そもそも駅や車を降りる時に後ろや周りを確認したのか?
ドアを入る直前にもう一度確認したのか?
危険だと判断したらそのまま楽観視せずいなくなるを待ったり、迂回したり人のいるところへ1度回避するのも手なのです。
自身の安全を保つにはどうしても手間がかかってしまいますが、その手間を惜しんだり忘れることによって自身の生命が脅かされる可能性が高くなる状況であれば、その手間は惜しんではならないのです。
これはボディガードという人を守る世界の鉄則でもありますが、自身の身を守る護身術という観点でも全く同じことが言えます。
まずはここに全力を注ぐ必要があります。
繰り返します。ここに“一番”集中力を使います。
ドアの内側で対峙する危険性
室内で遭遇する場合、可能性として考えられパターンは以下の通りです。
①Ambush“待ち伏せ”
冒頭でも少し説明しましたが、相手が待ち伏せしてるという状況である可能性がまず挙げられます。
例えば嫌がらせ・ストーカー等で脅威がすでに待ち構えている場合です。
②侵入強盗等(身体的なものも含む)
二つ目は今いる状況に押し入ってくる場合や、入る際に押し入る場合等です。
ターゲットとして狙われる場合になります。
部屋の中だけでなくエレベーターなどもこれに含まれるでしょう。
③居合わせ
こちらは自分自身がターゲットというよりも、部屋の中や事務所の中の金品が目的で、その場面にたまたま鉢合わせしてしまうような場面を指します。
目的が別であるので自分の身体や生命に危害があるかはやはりその時の運となってしまいますが、このケースの場合日本では犯罪者が逃げる可能性は高いと言えるでしょう。
ただ、いずれにしてもこの3パターンは、室内で起こりうるものを挙げました。
ご自分の自宅などで想像してみて下さい。
脅威者が実際にいるかもしれないと仮定して
帰った瞬間自分はいつも玄関の鍵を閉めるとしたらすぐに開けて逃げることはできそうですか?
玄関以外にも窓ガラスや他の逃げ道はありますか?
あるいはトイレなど鍵のついてる部屋に逃げ込めそうですか?(その時ケータイを持って入ることは可能か?)
あるいは部屋の中の対抗できそうな武器はどこにあるか把握してますか?
それは、やはり「状況次第」が答えになってしまいます。
ただ、相手は事前に準備しているかもしれません。一人ではないかもしれません。
こちらが明らかに不利であることを自覚しておかなければなりません。
一旦、脅威者が内部に入り込んでしまうとそれに対処するのはこちらも余程の準備をしていないと難しいのです。
巻き込まれてしまう前に
巻き込まれた後の対策は、一日でどうにかなるものではなく、技を紹介したからと言って頭では覚えていてもすぐにできるわけではありません。
なのでこの章ではそれより前にできる対策をお伝えします。
これは練習したりするものではなく、毎日の心掛けや意識することで対策となるものがほとんどです。
参考にしてみて下さい。
①戸締まり
ここは当たり前ですが改めて徹底しましょう。
その環境でできることを必ずします。
鍵があるなら閉める。
チェーンがあるならする。
ホームセンターなどに売ってる施錠用品を追加する。
来訪者が来たらインターホンで確認する。
外に出る前にドアスコープで再度確認する。
あるいはドアチェーンはかけたままで少し扉を開けて確認する。(チェーンは道具があれば切られる可能性があるので過信は禁物ですが)
などなど、外出時や部屋にいる時を問わず安全な空間であるためには施錠が確認できていないと安全であるとは言えません。
②外出時の体調管理
自分自身の身体面での大事なことですが
自分の体調が万全でない場合はより一層の注意が必要です。
体調が悪い時もそうですが、お酒などを飲んで酔った時は注意力も散漫になり、警戒心も薄れやすくなります。
また、身体の運動機能も低下します。
もちろんたまにはパーッと飲みたい…のも分かります。
例えば帰りが一緒の人がいる場合に限定する、同居してる人や恋人がいる時にする、迎えに来てもらうなど、時と場合を選ぶのも大切です。
ですが基本はほどほどにして、帰り道と家を結ぶ導線には注意を払うようにしたいものです。
この帰り道の導線から狙っていることがほとんどであるのと、家の目の前で隠れてる可能性もなきにしもあらずです。
特に身の回りですでに実際の脅威がある可能性が高い場合、ここはシビアになるべきでしょう。
こういったところを、脅威者は見ているかもしれません。
③周辺警戒
近寄らせない、自分が安全な場所にいるにはどうしたらいい?
それは周りをよく見る。
これに尽きるでしょう。
脅威はいきなり現れるものでも
部屋の中に突然現れるものでもありません。
ターゲットとして狙い、こちらを監視しタイミングを狙い、その予兆があるはずです。
それに気づけるのは自分しかいなく
自分自身で周りを見る必要があるのです。
日本は平和と言われているから当たり前に“今ここで襲われるわけない”という考えかもしれませんが
普段何気なく歩いてる道も
両耳にヘッドホンをして歩いてる時も
もしかしたら後ろからついてきてる人がいるかもしれません。
あなたの命や財産を狙っているかもしれません。
はたまた、部屋に入る前に窓ガラスが割れていたり空いてたりするかもしれません。
閉めたと思った鍵が空いている
それはやはりよく見てないと気づけるはずがありません。
ボディガードのプロも、周りをちゃんと見ることから警護対象を守れるように動きます。
護身術でも全く同じことが言えます。
そして何もないだろうという先入観が、あなた自身を危険にしているかもしれません。
万が一のためにできること、それはほんの少し周りを見ること
そういったところから護身につながっていきます。
④事前に回避・準備する
何か異変を感じたら
回り道をする(ルートを変える)、尾行を撒く、一旦別の場所に逃げ込む、などなど
大事なのは“距離を大きく稼ぐ”ことです。
また、もし部屋に異変や違和感があったら
いつでも助けを呼べる準備や、室内に入った際の避難路の確保、もしくは部屋を警戒しながら安全かどうか確かめる(clearing)必要もあるでしょう。
やり過ぎ、と思うか安全を確認するため、と思うかは人それぞれですが
被害が起こりうる可能性があると判断した場合はこのくらいやっても何ら不思議ではないと考えています。
それでも巻き込まれてしまったら…
それでももしかしたら万が一の時があるかもしれません。
その時の選択肢は二つしかありません。
逃げる(Escape)か、戦う(Confront)のどちらかです。
ただ、前項で説明した通り、すでに相手がいる・相手がこちらに接近している状況では相手が有利です。
基本は全力で逃げる。
それが、難しい場合は戦うことになります。
戦う場合は躊躇せず、全力で戦う。
このメリハリが大事です。
そのための準備を
ではいざ戦うことになっても
日頃やっていない護身術はできるわけがありません。
なので護身術を短期間でもいいから学ぶことをおすすめします。
単に技を覚えるだけでなく、身を守るための考えを学べる場所が良いでしょう。
実は正当防衛が成立しやすい?!
あまり知られていないように感じますが、
自宅などに侵入された場合において
正当防衛の範囲が広がるケースがあります。
それが、盗犯等防止法です。
概要
①盗犯を防止しようとする時、または盗品を取り戻そうとする時
②凶器を持ったり門や塀を乗り越えたりあるいは鍵をこわして人の住居などに侵入する者を防止しようとする時
③故なく人の住居などに侵入した者、または要求を受けても人の住居などから退去しない者を排斥しようとする時
という3つの場合において
自己または他人の生命、身体、貞操に対する現在の危険を排除するために犯人を殺傷したときは、正当防衛になると条文では記載しています。
こういった法的根拠もあるため、我々はいざという時に全力で抵抗し、躊躇してはいけないと教えています。
以上を踏まえ、日頃の護身に役立てて頂ければ幸いです。
相談や困ったときは自知護身
万が一の護身術が知りたい。
危険や脅威に対しての対策が知りたい。
ストーカーや嫌がらせがあり万が一の時が怖い。
などなど何か相談だけでも自知護身は受付ております。
お気軽に問い合わせフォームからご連絡ください。