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2021.03.27 |ブログ

こんな護身術は選んではいけない!?

目次

護身術教室ってどんなとこ?

護身術とは、自身や大切な人の身を守る術であり護身術教室はをそれを学ぶ場所です。

格闘技や武道とは少し考え方から違うということは当教室でも度々お伝えしています。

では、その護身術を学ぶ上で重要なものは何でしょうか?


それは
「リアルで具体的なアドバイスや訓練経験をもらえる環境」

もっと砕いて言えば
「誰から学ぶか」
「どのような内容を学ぶか」

これが大事であると言えます。

例えば、実際の喧嘩や護身術(ここでいう護身術とは護身体術という意味とします)が必要な場面の実践経験がない、あるいはそれを実際に見たことや検証したことのない人間が護身術を教えていたらどうでしょう?

それはあくまでその教えている人の想像の物語であり

中身の伴った技術であるとは言えません。

あるいは格闘技や武技の延長戦上のテクニックを教え、実際にそれを闇雲に使ってしまったとしたら、過剰防衛の可能性さえあります。

これは料理教室の先生がその料理を作ったことがないのに教室で教えているようなものです。

しかしここが護身術の歯がゆいところでもありますが
学んだことを行使する場面は一生のうちに一度もないのかもしれません。

確かめる場面はほとんどなく、あったとしたら危機的状況です。

ですがそれでも我々は、自分の身や家族や大切な人を守るために自分自身を研ぎ続け、その自分自身に投資し続けているのではないかと思います。

だからこそ、我々指導者側は教えることに慎重になるのです。

万が一巻き込まれた時、頼りになるのは自身の培ってきた経験やトレーニング、判断力しかないからです。

それを生半可なテクニックや動き、考えでどうにか出来るほど現実は甘くありません。

ただ、残念ながら巷によくある護身術の現状は違います。

こんな護身術よく見ませんか?

全ての護身術を教えている場所が、という訳ではありませんが
僭越ながら私たちインストラクターはある程度動きや説明を見ていると

“ここはちゃんとしたことを教えている”
“ここはフィットネスに特化しているものの、肝心の護身術はおざなり”
“この人は実際の危険な場面を知らない、又は過小評価している…”
“格闘技におまけで護身術を教えている”

ということは大体分かります。


悪い例は後ほど詳しく解説しますが
一例を挙げると

・〇〇なケースだとこう対処するのが正しい、という固定概念がすごい

・過剰防衛のリスク満載なテクニック、あるいは過剰防衛になりそうなシチュエーション(仮に生き延びるために必要だとしてもその説明が不充分)

・そもそも現実的な襲撃の想定をしていないが為に、技術が甘く不充分

・初心者に教える技術ではない

・護身術を使い「戦う」ことが前提となっている(口では逃げることが大事といいながらその説明と方法は曖昧など)

・護身術と見せかけたただの型動作の反復(ダンスレッスンと化している)



もちろんその場所によって教える順番があったり指導者の意図があると思いますので少しでも似たような例があったからと言って悪いというわけではありません。


しかしリアルな場面はもっと危険であるにも関わらず
甘い認識で指導者がトレーニングを提供しているのを垣間見るとゾッとしてしまいます。

なぜならもし本当にそのような場面に陥ったときに大変な思いをするのはその巻き込まてしまった本人であり
後悔する頃に取り返しのつかないことなっていたのでは話にならないからです。

こんな護身術を教えているとこはNG!?

中には営利目的であるために
護身術のようで完全にフィットネス感覚のメニューであったり
ある一人の指導者を生徒の皆さんが崇めていたり
戦う技術しか教えていなかったりと

こちらが同業の護身術指導者として恥ずかしくなってしまうところも少なからず散見されます。

厳しいようですが、こんな護身術には要注意という特徴をまとめてみました。

■宗教色が強い・神秘的

これは何かの宗教を行っているかどうかという話ではなく

先生や師範の言うことが絶対になっていたり技術のこだわりが強いとこや
他を認めなかったり批判ばかりしていると要注意です。

また、こうしたところの生徒さんやアシスタントは自分が心理的に服従状態であることに気付いていないパターンが多いです。

自分達の行っていることが正しい、という先入観を捨て、常にフラットな考えで学びましょう。

また、力を使わずにコツだけで相手を倒せるなどというのにも要注意です。

ある条件下の制約のもと、そういったことはできなくもないですが、実際のリアルファイト、セルフディフェンスの世界は甘くありません。

もしそういったことを良く見せるとこがあれば実際の現場を知らない可能性が高いです。

■現代とマッチしていない

例えばパンチや蹴りを想定していないのに、また自身やその回りがその練習をしていないのにそれに対処できるでしょうか?

ナイフの切り方や刺されるパターンを研究せずして、従来の技術をそのまま使えるのでしょうか?

そもそも型や技の反復練習=護身術になっていないでしょうか?

「護身術を学べます」とあるのに
現代における危険な場面やテクニック以前の注意点などの説明がなく、ただテクニックや型動作のみを提供するのは本当の護身術とは言えません。

また、型動作のみを行っているところは
やっていると確かにその型動作そのものは上達していくのですが

相手が予期せぬ動きをしたり力いっぱい抵抗されると応用しなければ対処できなくなるものです。

よって型動作や反復練習はダンスレッスンにならないようにしなければなりませんのでそれをしっかりと教えていない場合は要注意です。

■格闘技と混同している

格闘技の世界チャンピオンといえど護身術では別世界です。

喧嘩においてプロの選手が死傷した事件もあることからもそのことがうかがえます。

格闘の技術をいかに知っていようとも
その場の判断力であったり選択を誤ればたちまち生きるか死ぬかの土俵に上がり、生き残れるかは運任せになってしまいます。

にもかかわらずその違いを分かっておらず、格闘技術のみを教え、あたかもそれが護身術の全てであるかのように教えているところは残念ながら護身術によく似たフィットネス道場でしょう。

身体を動かし汗をかくことは気持ちの良いものです。
また、様々な動作を練習し上達するのは嬉しいですよね。

しかしその爽快感や達成感と
本当の護身術の習得は別物ですので注意しましょう。

■過剰防衛のオンパレード

例えば胸ぐらを掴んできた相手に対してこちらが接近戦で有効な肘打ちを返したとしましょう。

相手が胸ぐらを掴むのは“暴行罪”になる可能性があるのに対し
身の危険を感じて殴り返したとして相手に怪我を負わせてしまった場合
こちらは“傷害罪”になり相手より重くなる可能性が出てきてしまいます。

正当防衛が生起するのは
“胸ぐらを掴んだ相手が殴りかかってきた時”等の急迫不正な状況でなければ成り立ちません。

これらを知らずして教えていたとしたら大問題です。

仮に自分の命を守るためにそれらの技術を教えたとしても、その後にあるリスクを説明していなければちゃんとした護身術のスクールであるとは言えません。

どのような教室・指導者から学ぶのが良いか?

では護身術を謳う団体が数多くある中で
どのような場所を選べば良いのでしょうか?

明確な判断基準というものはありませんが
少なくとも以下のどれかが護身術教室や指導者の質として求められるのではないでしょうか。

■護身術について特化している

護身術というとなかなか定義が難しいものです。

例えば空手や合気道、古武術の教室などにも護身術と載せているところは多々ありますが、例えば法律や護身アイテム、実際の事件や事例をベースに護身術を提供しているかも大事なポイントです。

もちろん従来の武道教室が悪いということではありません。
それぞれの武道は、人としての道を教えることが重要であったり、
それぞれが継承してきた「技」を伝え、それに磨きをかけることに重きを置かれたりします。
試合や大会に向け練習することもあり、それにより精神力や体力も自ずと鍛えられるでしょう。

ただそれは、言い換えると与えられた技術や体力を護身術にどう活かすかを自分で考えて、発展させなければなりません。

また、護身術と宣伝し技術のみにフォーカスして教えているところでよく見受けられる練習では

“こう来たからこうやって反撃する”

ということを終始行っているところもあります。
それだけで護身術になると言われてしまえばそうなのですが

そこで理合や型そのものを学んでいるのか、身体の使い方を学んでいるのか、はたまたそのまま実戦で活かせるのかどうなのか、といった現実的なところにフォーカスして教えていることと
また、戦いが起きる前の解説をしてくれているかも重要です。

そういった観点で教えているスクールや先生がいたら、護身術に特化していると言って良いでしょう。

■防犯に関するアドバイスを行っている

巻き込まれないようにするポイントや
犯罪被害に遭わないようにする指導を行っていることは

護身術とセットであると言えます。

一番の目的は被害に遭わず回避することや逃げる、というのを明確に伝えている場合は動きだけでなく考え方も学べる良い環境であると言えます。

■護身術と格闘技の線引きがされている

護身術だけを教えている場所が近くに無い方もいるかと思います。

そんな方は近くの格闘技ジムや護身術を併設しているところに通わなくてはならないかもしれません。

護身術と格闘技は少し似ているところがあります。

それはアタック(攻撃)技術であったりディフェンス(防御)技術であったりと、有効だからこそお互いで作っている技術が多々あります。

決定的に違うところは、マインドとそのテクニックの使用目的にあります。
どちらが優劣があるとかいう話ではありません。

格闘技とは、大半が階級(体重別)に別れ、選手に後遺症となる重大な怪我が少なくなるよう最低限のルールが設けられています。
試合となればその日に向け体重やコンディションのコントロールを行い整えていきます。
相手選手が決まっていればその相手の分析や戦略なども考えたりします。

護身術は、そもそもで戦いに持ち込まないようにするところから根本的に違ってきます。
いつ巻き込まれるかもわかりません。
また、もし逃げることもままならず争うことになったとしても、ルールはありません。
それは体調の悪い日かもしれません。
相手がナイフを使ってきたら、こちらは下の砂利を使おうが物を投げようが何でもアリで、タップ(降参)しても攻撃をやめてくれません。
相手を見たらその情報をもとにその場で戦略を考える必要があります。

ここが難しいところで、似たようなテクニックがあるからこそ、両者を混同しがちになってしまいます。
この線引きを明確に行い、格闘技ではこうする、護身術だとこうした方が良い、そしてなぜそれを行うのか、ということを明確に伝えられる教室やインストラクターがいたらしっかりと線引きを行っていると言えます。

■インストラクターの経験が裏打ちされている

先にも例を挙げましたが、料理教室を例にすると、

今までフランス料理(格闘技や武道)を懸命に修行していた人が
「じゃあ美味しいイタリアン(護身術)を教えますね」

というようなもので、一見料理をすることそのものは似ているようでも培ってきたものが全然違っていては
しっかりとそれについて理解しているインストラクター、と言えるかどうかは微妙なところです。


主に下記のような経験があるインストラクターが、護身術を指導する上では指標になるかと考えられます。

・身辺警護や要人警護経験、あるいはそのトレーニングプログラム等を修了し、危険回避についての理解をしている者。

・海外での訓練経験や犯罪現場の対処経験が豊富な方

・心理学等を学び犯罪心理について知識のある者。

・揉め事や喧嘩等の実践経験を数多経験している者。

・犯罪現場等を日常的に対処している(元)官公庁職員や職業の方

・防犯やテロリズムに関する研究、講習を受けている者

・上記に準ずる研究、研鑽を行っている者

それに+αで武道経験や格闘技経験があると尚良いというとこでしょうか。


日本では格闘技経験や武道経験があれば護身術の技術面の吸収が早く、また武道は昔から護身体術の側面が強かったのでそれだけで護身術を教えられるような気がしてしまいますが、

どのように犯罪が起こるのか
何に、誰に気をつけるのか
護身術の目的はなんなのか

現代においてこれらを分かっていないと、本当の意味での護身を理解した指導員とは言えません。

■指導内容が充実している

そして最後に正しい護身術の知識が学べるかが大切になります。

ナイフへの対処やピストルへの対処等様々なバリエーションの対処トレーニングをしていることも、実戦的に見えてしまうかもしれませんが

型動作の反復トレーニングのみならず、それが実際の場面で出すのがいかに難しいか、というところまで踏まえて指導してくれていると尚良いです。

テクニックのみならず、判断力のトレーニングや筋トレなどの基礎体力を上げてくれるメニューがあると文句なしです。

護身術の習得方法に正解はないですが、正しい知識やテクニックを学べる場所が護身術を学ぶ上では非常に大切です。

正しく護身術を学びましょう

いかがでしたでしょうか?

護身術は明確な基準がないだけにどんな人でも教えることができてしまい
また、SNSや動画サイトで護身術の情報を得やすくなりました。

近くに良い教室が無いという方も限られた場所から選ばなければならないかと思います。

そんな時にこのブログが護身術選びの一助になれれば幸いです。

こんな教室があるんだけど…
こんなふうにインストラクターに教わったんだけど…

などなど相談がありましたら是非お問い合わせ欄からご連絡ください。

護身術が正しく普及し、皆様や大切な方のの命が守られていくことを自知護身は心から願っております。